日吉八幡神社七夕祭

2017年6月24日
秋田を代表する祭り「竿燈祭り」
東北三大夏祭りの一つであり、8月3日~6日の開催期間中に約130万人が観覧に訪れるという秋田が全国に誇る祭りである。
管理人が秋田市で暮らし始めてから10年ほど経つが、会場となる竿燈大通りは家から徒歩で15分ほどの距離であり、毎年必ず1回は観覧している。
竿燈の妙技を観覧して楽しむというのは当然だが、人口減が著しい秋田の地に全国各地からたくさんの観光客が集まるのを見るのが楽しいというのもある。

とにかく秋田の夏を代表する風物詩であり、管理人も祭り期間中は浮かれた気分になれる特別な大イベントなのだ。
管理人もいっぱしの鑑賞者として、それなりに竿燈のことはよく知っているつもりだった。
が、自宅から歩いて5分の距離にある秋田市八橋の日吉八幡(ひえはちまん)神社の七夕祭で、竿燈を観覧できるということは今の今まで知らなかった。
6月24日、朝の散歩で日吉八幡神社前を通りかかったところ、神社掲示板に今日7時20分から竿燈演技披露の告知があるではないか。マジか。
神事の一つとして竿燈(演技)が奉納されるという。
当日に偶然知った訳なので何の準備もしていない。
が、今日は仕事休みの土曜日であり、準備などしなくとも歩いて5分の距離にある神社
これは行かなきゃならん、と鑑賞を決めた。

時刻は7時前、歩いて日吉八幡神社に向かう。
日中は暑かったが、さすがに日が暮れかかると暑さは和らぐ、というかちょっと肌寒い。
神社前の通り。神社の向かい側には八橋運動公園競技場(あきぎんスタジアム)がある。

神社の境内へ

日吉八幡神社は秋田県指定有形文化財に指定されている。
境内には神社本殿、拝殿、舞殿(まいでん)・随神門(ずいしんもん)の他に三重塔、青銅鳥居などもあり、北側から見ると仏式、東側から見ると神式の建物配置となっているそうだ。
これが三重塔(奥にあるのが随神門)※日中に撮影

舞殿には今日参加する竿燈町内会の提灯が掛けられている。

本殿前にはすでに竿燈がスタンバイ
秋田にいると、何かのイベントのオープニングや、開店セレモニーなどで竿燈を見る機会はちょくちょくある。
そういった場合には1~2本ぐらいで竿燈演技が披露されるのが多く、日吉八幡神社の祭りもそのイメージだった(1~2本でも結構な迫力だが)。
が、行ってみると15本もの竿燈が上がるというではないか。
竿燈祭り本番には程遠いものの(本番では約280本ほど上がる)、やはりそれなりの数の竿燈が上がるとそれだけ興奮の度合いも高まる。

竿燈について簡単におさらいをしておきたい。
長さ12mほどの親竿に横竹9本を付けて、それに計46個の米俵に見立てた提灯を吊るした「竿燈」を、「差し手」と呼ばれる男性たちが手、額、肩、腰などに乗せて披露する祭りだ。
一種のバランス芸ではあるが、竿燈の重さは50kgにもなり、熟練の技術が必要となる。
竿燈を上手に上げるコツは「力四分、技六分」らしいが、その大きさゆえ風の影響を受け易く、そうなると熟練者とはいえ上手く操ることが難しくなる。
どこかの差し手が「竿燈は一生かけても極められない」というようなことを言っていたが、それほどまでに繊細な技術と感覚が必要な稀有な伝統行事なのだ。

本殿内では神事が行われていた。
遠巻きに様子を見ていたところ、横にいた男性に「中に入っていいよ」と促されたので、おそるおそる上がってみる。


中には竿燈を差す町内会関係者が多数列席している。
行事の無事を祈願しているのだろう。
あれだけの重さのものが倒れでもしたら当然差し手は危険だが、観客の方に倒れる光景もよく見られる。
おそらく差し手、関係者、観客すべての無事を祈願しているのだと思う。

神事が終了して、拝殿前で記念撮影

本殿の柱には昼に地域の人たちが作った短冊をあしらった竹が掛けられている。

竿燈はもともと夏の睡魔を払いのけるネブ流し行事を起源とする。
ネブ流し行事は七夕行事の一つとして古来から継承されているものなので、七夕祭で竿燈奉納するのは実は非常に理にかなっている訳なのだ。

そして竿燈の提灯に火が灯される。
現在、例えばねぶた祭りに代表される巨大灯籠行事などは、ほとんどが電飾の明かりだが、竿燈は本物の蝋燭に火を灯している。
なので、チャッカマンは竿燈における必需品だったりする(チャッカマンって商標名なんですね、でもこの呼び名のほうが断然定着しているかと)。

全ての提灯に火がともされて、準備が整った。

そして最初の笛の号令で竿燈囃子が始まり、直後の次の笛で竿燈が上がる。

勇壮なお囃子に煽られて、竿燈が高く高く継がれていく。
これまで竿燈祭り以外にも竿燈演技を見ることはたびたびあったものの、神社境内で見るのは初めてだ。


竿燈を見始めた頃は「綺麗だねえ。本当に『光の稲穂』だなあ」と竿燈が立ち並ぶ様を見て、それで満足していた。
が、竿燈の真の主役は差し手であり、差し手の妙技を堪能することがこの祭りの醍醐味であることにほどなくして気づいた。
鑑賞ポイントは人それぞれなのでどのように見ようと勝手なのだが、竿燈について言えば「差し手八分、光の稲穂二分」ぐらいの割合で鑑賞するのが、ほどよいバランスだと思う。

次々と竿が足されて、竿燈がぐんぐん高くなっていく。


竿が徐々にしなってきた。
竿が5本も足されると充分にしなった形になり、ここからが差し手の腕の見せどころとなる。
上手い差し手になるとこの状態で唐傘を持って開いたり、大きな扇子を開いたりと、さらに見せ場を作る訳だが、今日は奉納竿燈ということもあるせいだろうか、曲芸的な演技は見れなかった。
そしてさらに上級者ともなれば、6本目の竿を継ぎ足すこともある。
こうなると見るほうも大興奮というか、まさしく固唾を飲んで観覧することになる。
昨年2016年の竿燈祭りでの、下鍛冶町竿燈会の素晴らしい演技でその様子を確認してもらいたい。※画質悪いです。

この上を行く7本目の竿を足すという最早人間離れした技もあるが、管理人は実際に見たことはない。
7本目が継ぎ足されると、本当にひらがなの「つ」みたいな形になるらしい。

およそ20分ほどの演技を終えて一旦休憩に入る。
本殿前での演技は十分堪能したので、三重塔と随神門の間で演技をしている町内会の演技を鑑賞するため移動
今日は以下の14町内会がその妙技を披露してくれた。
本殿前で演技
・新川向南町竿燈会
・馬口労町竿燈会
・上鍛冶町竿燈会
・下肴町竿燈会
・上米町二丁目竿燈会
・寺町四区竿燈会
・下米町一丁目竿燈会
随神門前で演技
・上米町一丁目竿燈会
・八日町竿燈会
・上亀之丁竿燈会
・本町六丁目竿燈会
・室町竿燈会
・下鍛冶町竿燈会
・城町竿燈会
秋田魁新報などで「15の町内会が出場して‥」との記事を見かけたが、14町内しか出ていなかったと思う。どうだったんでしょう?(間違えていたらすいません。。。)

ライトアップされる三重塔

5分ほどの休憩の後、第二部が開始

一回目の演技の頃にはまだ夕暮れの明るさがあったが、もうとっぷりと日は暮れている。
夜闇に映える竿燈はやはり格別だ。
また、当夜は少々風があり演技に影響があるのでは?と思ってしまうが、ある差し手の方に以前教えてもらったところによると、無風状態はそれはそれで難しいらしい。
なので多少の風(そよ風とかのレベルかな?)がある方がベストということなのだ。
微妙で繊細な技巧が要求されることが分かる。

竿燈祭り以外の場で竿燈を鑑賞する機会は度々あったが、地面がアスファルトではなく土での演技鑑賞は初めてかもしれない。
アスファルトと地面のどちらがやり易いかは分からないが、差し手にもおそらく多少の影響はあると思う。
大技の一つに一本歯の高下駄を履いて竿燈を差すというものがあるが、足元が土では一本歯がズブッと刺さってしまうので、さすがにそれはできないだろう。

20分ほどで第二部の演技も終了し、これで竿燈奉納は終了
と同時に神社のお祭りも終了となる。
差し手の皆さん、おつかれさまでした!!

管理人も神社をあとにして、歩いて5分の自宅に戻りました。

トータル40分ほどの短い時間ではあったものの、いつも見ている竿燈祭りとはひと味違うユニークな鑑賞となった。
竿燈といえば一にも二にも竿燈祭りであり、大勢の観客の前でおびただしい数の竿燈が上がるのが定番イメージだが、神社と竿燈のコラボというのもなかなか味わい深かった。
日吉八幡神社のお祭りということで言えば、秋の例祭には本場羽後町から西馬音内盆踊りが登場するらしい。
すぐご近所の神社ながら、なかなか足を運ぶ機会がなかった訳だが、これからは催しをまめにチェックしようと思う。
そして竿燈
7月に入ると竿燈祭り本番に向けて、あちこちで練習風景が見られるようになる。
今日登場した差し手たちも当然ながら本番に向けて更なる練習を積むことだろう。
8月3~6日にその成果を存分に披露して、秋田の夏を思い切り盛り上げて欲しいと思う。


2 Replies to “日吉八幡神社七夕祭”

  1. 重さ50kg❗️出逢った頃の家内の体重?イヤイヤ、もう少し有ったか❓、、、笑。
    それにしても『良く片手で持ち上げられますね〜』凄いと思います。

    1. 隣人1号さん
      いつもありがとうございます!
      「平手」は比較的簡単な技だと思われているようですが、考えてみたら50kgの重さを片手で支える訳なのでたしかに凄いですよね。
      「腰」や「肩」はバランスが取るのが難しいらしいですし、「額」はおでこに物凄い重さが加わって結構痛いらしいです。
      そう考えると簡単な技などない、ということになるんでしょうね!
      奥様の体重の件についてはコメント差し控えたいと存じます(笑)

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