角館祭りのやま行事/花輪祭りの屋台行事/土崎神明社祭の曳山行事/三吉神社梵天祭/綴子大太鼓

2018年5月26日
今年も「これが秋田だ 食と芸能の祭典」に出かけた。
このイベントが開催されるのは今年で3回目となり、秋田各地の伝統行事が大集合!というお得感に誘われて管理人は3年連続の鑑賞となる。
さて、気になるラインナップだが、クライマックスとなる広小路での伝統芸能パレードについては昨年と全く同じ
取り立てて新味はないものの、パレードの盛り上がりはなかなかのものであり、その興奮を味わうために初日となる5月26日に鑑賞を決定(イベントは5月26日・27日の両日開催。なお5月25日にはプレイベントが行われた)

当日は所用があり、横手市増田町の実家に行っていた。
伝統芸能パレードは18時スタートなのでそれに間に合えばよいわけだが、秋田市に帰るのが少し遅くなってしまい、結局広小路には18時すぎに到着
もうパレードは始まってるかな、と少々気にしつつ会場となる広小路すぐそばを流れる旭川を一枚撮影。なんか去年も撮影した気がする。

去年の順番を踏まえればおそらく竿燈が最初に演技を行い、続いて綴子大太鼓 → 三吉神社梵天 → 土崎の曳山 → 花輪ばやし → 角館のやまの順番で進み、トリに竿燈が再登場というかんじだろうか。
後半に登場するであろう団体はリラックスムード。こちらは花輪ばやし

角館のやま

土崎の曳山

上の3つの行事は一昨年、日本の山・鉾・屋台行事として国連教育科学文化機関の無形文化遺産に登録された(日本全体では33件)。
3つの行事いずれもが地域の人たちの情熱と思いに支えられており、本当に世界に誇れる秋田の宝だと思う。

広小路をもっと進んでいくと綴子の大太鼓のお囃子が鳴り響いており、すでにパレードが始まったことを告げていたが、行進を開始したばかりのようでほっと一安心
その先にさらに進むと竿燈演技が行われていた。

管理人が見始めたとほぼ同時に竿燈は終了
まあトリでもう一度登場するだろうから、そのときに見ればいいやとあまり気にとめず、撮影ポイントを探す。
せっかくなので去年とは違う場所で撮影したいなあなどと考えていたものの、撮影に最適な場所を気にしていたら結局去年と同じ場所になってしまった。まあ、そんなもんでしょう。
千秋公園のお堀。夕暮れ時の水面がキレイです。

そして待つこと数分、綴子の大太鼓がやってまいりました。


野次払(ヤツパレ)と呼ばれる棒使いを先頭に、そのうしろに獅子踊が続く。
昨年は大太鼓一張とお囃子方だけのパレードだったが、今年は少々賑やかになった。
管理人は昨年7月15日に現地北秋田市綴子でこの行事を鑑賞した。
この行事は大太鼓を先導するように野次払、旗物、挟箱、侍などで構成される大行列が編成されるのが本来の姿であり、ちょっとでもその雰囲気に近づけようとしてくれているみたいで嬉しくなってしまう。

そして大太鼓の登場


県北地方(特に鹿角市周辺)で盛んな大太鼓行事の中にあっても、このスケール感はとにかくすごい。
場内には女性アナウンサーとコメンテーターのお喋りがスピーカーを通じて終始鳴り響いていたが、計8人の太鼓奏者による演奏がスピーカーの音をかき消しながら轟いている。
この太鼓の轟音にはもともと雨乞いの意味が込められているらしい。
冒頭に書いたように「これが秋田だ 食と芸能の祭典」は今年で3回目の開催となるが、たしかに今年昨年ともに雲の多い空模様だし、一昨年はトリの竿燈演技あたりで土砂降りになった。
やはり綴子大太鼓が広小路に雨雲を連れてきたのだろうか?

昨年行われた全国健康福祉祭あきた大会「ねんりんピック秋田2017」の総合開会式では大太鼓演奏が披露され、全国からの選手団を出迎えた。
総合開会式には竿燈も登場したのだが、綴子大太鼓も竿燈に引けを取らないぐらい秋田の顔としてのスケールを十分に兼ね備えていることが伺える。
行事の行われる綴子地区はどちらかというと小規模な集落で、村祭りの風情が漂う行事ではあったが、この太鼓だけがその規模に不釣り合いなぐらいに巨大だったのが印象的だった。
決して大メジャーな行事ではないものの、その存在感は秋田の祭りのなかでも一目置かれるぐらいになっていると思う。

綴子大太鼓に続いて三吉神社梵天の登場


三吉神社梵天祭は毎年1月17日、秋田市広面の太平山三吉神社で行われる。
「喧嘩梵天」の異名通り、男たちが自分たちの町内の威信をかけて他町内と激しい押し合いを展開する、実に荒々しい行事だ。
管理人は4,5年前に一度鑑賞しただけだが、これほどに熱い押し合い(一部殴り合い)が展開されるとは思っていなかったので、かなりびっくりしたのを覚えている。
今日は威勢の良い「三吉節」の唄声と法螺貝が鳴り響く、巡行の様子を再現していると思われる。

派手な山車、屋台が出るわけでもなく、たくさんの観客を集める行事でもないが、梵天行事は冬の秋田の象徴的なお祭りであり、そのなかでも三吉神社梵天祭は一際激しく、冬の寒さを吹き飛ばしてなおお釣りが来るぐらいの熱気溢れる行事だ。
「これが秋田だ!」のキャッチフレーズが最もふさわしいのが三吉神社梵天ではないだろうか。


できれば、三吉神社梵天祭のクライマックスである奉納の始終を見てみたいとも思うが、あの荒っぽい様子をここで再現するとなれば
ほとんどストリートファイトになってしまう。
あくまで梵天奉納という神聖な行事であり、滅多やたらに派手な押し合いを繰り広げれば良いというものではない。

時刻は19時近く。そろそろ日が暮れようとしている。

続いては来場の際にその勇姿を見た、ユネスコ無形文化財登録となった団体の登場となる。

まずは土崎神明社祭の曳山行事、通称「土崎港祭り」


「ジョヤサー!」のイキのいい掛け声とともに曳山が大迫力で近づいてくる。
陽気でオープンな気質と云われる土崎の港っ子が、年に一度激しく気持ちを昂ぶらせるのが港祭りだ。
土崎神明社祭は7月20・21日に行われる。
管理人は昨年初めて祭りをしっかりと鑑賞(※数年前に鑑賞したときは30分ほどで帰ってしまった)したのだが、土崎の人たちのこの祭りにかける思いが熱気を生み、ある意味感動的ですらあった。

曳山


前方には二見が浦の夫婦岩を置いて、その前に武者人形、後方には世相を風刺する人形を配置した伝統の曳山
人形の荒々しい形相と相まった、雑然とした雰囲気が曳山の魅力ではないだろうか。
今年の3月には土崎みなと歴史伝承館がオープン。そちらには実物大の曳山が常設展示されており、これまで以上に港祭りを身近に感じることができるようになった。

そして、曳山の運行につきものなのが各種の芸能披露。今日は秋田音頭が披露された。
素手、花笠、出刀傘組音頭といろいろなバリエーションを持つ踊りで、流麗さとは一線を画した快活さが特徴だ。
土崎の人たちの気風にマッチした踊りで、見るものを明るい気分にさせてくれる。

そして次は角館祭りのやま行事
こちらはパレード形式ではなく、2基のやまがぶつけ合いを披露する。


パレードの進行方向に前方を向けていた川原町のやまが駅通りのやまに対峙すべく180度ターン
それにしても、川原町のやまをスマホで撮影する人が異常に多い。
「やまがそんなに珍しいの??」などと思っていたが、町内の人たちも撮りまくっていたのでそういう理由でもないらしい。
で、よく見るとやまの先端に立って運行を仕切る先導を務めているのが、なんとバスケットボールB.LEAGUEの秋田ノーザンハピネッツ田口成浩選手だった!
田口選手は仙北市角館川原町がご出身とのことだが、「似合う」とか「さまになる」とかいうのを超えて最早プロ(?)

駅通り


祭りは毎年「角館祭りのやま行事」として行われるが、地元では単に「お祭り」とだけ呼ばれているらしい。
角館ではお祭り、すなわちやま行事であり、唯一無二の存在であることが分かる。

上手く写真を撮れなかったが、ここで行われているのは「交渉」

鎮守である神明社への行き帰り、各丁内を管轄する張番の許可の有無など、そのときどきの条件でやまは「上りやま」にも「下りやま」にもなる。
基本的には上りやまに優先通行権が与えられるのだが、ともに上りやまであることを主張する場合などに行われるのが「交渉」だ。
交渉によって、いかに自丁のやまを有利に導いて優先通行権を得るかが、ひとつの醍醐味となっている。
そして双方譲らず、交渉が決裂した際にぶつけ合いが行われる。

今日は祭り本番ではないし、迫力あるぶつけ合いをたくさんの観客に披露するのが前提な訳であり、当然交渉は決裂(したという設定)
そしてぶつけ合いが始まった!
「バンッ!」という鈍い音と共にやま同士が押し合う体勢となる。
昨年は3回に渡ってぶつけ合いが繰り返される派手な場面を鑑賞したが、県立図書館で読んだ「角館の祭り 神と人間の接点から」には「ぶつけるのは進めるためですから、(中略)ぶつかったら押し合うというのが本来の姿でしょう」と記されている。
やまの前部をともに持ち上げながら、じりじりと押し合うこの形こそが、まさしくぶつけ合いの本領なのだろう。
このやま行事は毎年9月7日~9月9日に行われる。
今日登場した団体のなかで未だに管理人が見たことがないのはこの祭りだけだ。
土崎港まつりと同じぐらいに角館の人たちの心を熱くするやま行事を一度現地で見てみたいと思う。

続いての登場は花輪ばやし


花輪町踊りを先導とする豪華絢爛な屋台が、夕闇のなか光彩を放ち観客を魅了する。
そして何よりも賑やかなお囃子と掛け声
「神田囃子」「祇園囃子」と並んで日本三大囃子の一つとされているが、何故鹿角の地にこれほどまでに躍動的で、田舎風を感じさせない洗練されたお囃子が継承されているのかについてはよく分かっていないそうだ。

管理人は何年か前に現地鹿角で一度だけ鑑賞した。
youtubeでたまに動画を見ることもあるのだが、お囃子方の笑顔の素敵さについほっこりさせられてしまう。
お祭りの熱気を楽しんでいる様がこちらに伝わってくるし、これほどまでに笑顔がはじけるお囃子を他に見たことがない。
昨年の記事に「(花輪ばやしが)秋田の祭りのように見えない」というようなことを書いたが、地理的な要因のほかにも秋田の一般的な行事ではまずお目にかかることのない、はじけた笑顔もその要因ではないだろうか。

花輪ばやしと同時に別の場所で二回目の竿燈が始まったのは分かっていたが、花輪ばやしの屋台をフォロー。そのまま後をついていく。


熱のこもった演奏に観客から拍手が沸き起こる。
秋田の祭りのなかでは少々異質ながら、その熱は正統的な日本の祭りの血脈を受け継いだそれだと思う。
この素晴らしい盛り上がりをもう一度現地鹿角で見てみたい。

これで全団体を見たことになり、会場をあとにする。
帰る途中で竿燈演技を少しだけ鑑賞

今日はあまり大技が繰り出されなかったようだし、竿燈まつり本番の8/3~6の演技を楽しみにしたいと思う。

イベント終了時の広小路。竿燈が退場しようとしています。

ということで3回目となる「これが秋田だ 食と芸能の祭典」を鑑賞
3回目ということで、スケジュールや進行についてはかなり固定化されてきた一方で、来年以降の課題もおそらくあるはずで、当分は試行錯誤が続いていくと思う。
それでもこれだけのお祭りの団体が一堂に会するという機会はたいへん有り難く、大事に継続していってほしいイベントであることに違いはない。
実行委員会の皆さんの創意工夫にこれからも期待したいと思う。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です