なまはげ柴灯祭り

2017年2月11日
ここ秋田ではいよいよ冬の祭り・行事が盛んに行われている。
特に2月11日(土)・12日(日)の両日は劇的なほど行事が集中する。
規模の大きいところでは大館市の「アメッコ市」、湯沢市の「犬っこまつり」
近年そのフォトジェニックさが人気を集めている大仙市大曲の「川を渡るぼんでん」
知る人ぞ知る真冬の奇祭、仙北市西木町の「中里のカンデッコ上げ」
同じく仙北市西木町の「松葉・相内の裸参り」(ふんどし一丁の若者が凍てつく桧木内川で身を清めるって寒すぎるだろ)
字面だけでは中身が全く分からない仙北市田沢湖町の「なろか」などなど

他にも由利本荘市鳥海町の「笹子雪まつり」、北秋田市鷹巣の「もちっこ市」といった観光型のお祭りも入り混じり、まさしく祭りの狂騒状態となる。
そんな中管理人がチョイスしたのは男鹿市真山神社で行われる「なまはげ柴灯祭り」
その名の通り秋田を代表するスーパースター「なまはげ」が登場する祭りなのだが、詳しい中身についてはこちらのHPをご覧いただきたい。

前回の「刈和野の大綱引き」に続いて「なまはげ柴灯祭り」も小さな祭りではない。
みちのく五大冬祭りと呼ばれるイベントの一つでもあり、全国からの観光客で溢れる祭りでもある。
そしてなまはげが登場するとは言え、この祭りは伝統行事ではなく「なまはげという伝統行事をアレンジした観光イベント」というのが正しい。
厳密に言えば「柴灯祭(さいとうさい)」という神事が執り行われるので、100%観光イベントという訳ではないのだが、実質的には柴灯祭もイベントのコーナーの一つと化している。
ということで、伝統行事を主に取り上げる当ブログの趣旨とはちょっと外れる祭りではあるが、昨年末~今年初めにかけて各地の来訪神行事を体験した身としては、なまはげへの想い断ち難く‥ということで観覧を決めた。
そもそも行ったことないし‥

2月11日
ここ2~3日で結構な量の雪が降った。
秋田市から祭りの行われる男鹿市まで車で1時間ほどの距離だが、いきなりの大雪に自治体の除雪態勢が追いつかず(土日だったし)、デコボコの悪路をひた走ることとなった。
潟上市から見た冬の日本海。とにかく寒かった。
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男鹿市に入り、真山神社へ向かうなまはげロードを走る。
男鹿は秋田でも比較的雪が少ない地域だが、それでもこの様子
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大晦日に安全寺地区でなまはげ行事を鑑賞した際にはこんな様子だったのが‥
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今日はこんなかんじ
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そして真山神社へ
神社はまだ先なのだが、道路を挟むように建てられている鳥居がとてもいい雰囲気だ。
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この鳥居の先には大駐車場が何箇所かあり、そのどれもがほぼ満杯になっていた。
特に大型バスが目立つ。
また、なまはげ柴灯祭り期間中は駐車料金として協力金1、000円が必要になる。

祭りの開始は6時からだが、5時前に到着
祭りまでの間、何をして時間を潰そうかな~などと思案する必要は全くない。
なまはげ館、男鹿真山伝承館があるからだ。
この2つの施設は男鹿市のみならず、秋田県内でも屈指の人気観光スポットである。
なまはげを全く知らない人でもちゃんと楽しめる(ただし、小さい子供は除く)し、なまはげをよく知っている人でもアトラクション気分で何度でも楽しめる魅力溢れる施設なのだ。
こちらのサイトでも、特に県外からの観光客に大変評判がよいのが分かる。

なまはげ館の受付窓口で二館共通券を買ったのち、まずは男鹿真山伝承館へ
本来冬季の開館時間は夏季に比べて短いが、祭りの期間に限って時間が延長される。
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ここでは、なまはげ実演が行われる。
ここで見られるのは地元真山地区の模擬なまはげ行事(なまはげの作法や面は真山地区独自のもの)である。
管理人は何度も観覧したし、県外の友人が秋田に遊びに来る際には必ずここに連れてくることにしている。
さすがに中は満杯、なまはげの登場を皆が待っている。
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そして‥出たーっ!
お化け、いやなまはげだ!

なまはげ初体験の観光客はびっくりして呆気にとられている。
無理もない。
管理人が初めてここを訪れたときはなまはげが怖かったのもあるが、この薄暗い室内の雰囲気がじんわりと恐怖だった。
一種のショーとは言えども怖いと感じるのが当たり前だし、それが子供であれば尚更だ。

なまはげ問答が行われる。
先に紹介したサイトで「秋田弁が理解できなかった‥」みたいな感想が掲載されているが、なまはげ、家の主人ともに実は随分と聴きやすい秋田弁で喋っている。
なので、大まかな意味は県外の観光客も理解できているし、笑うポイントでちゃんと笑うことができる。
これが本当のネイティブな秋田弁だったら、会場中に「?」が渦巻くことだろう。

さすが!というべき安定のクオリティである。
問答の合間にちょいちょい小さい笑いを挟みつつ、観客を巻き込んでのショーが繰り広げられる。
ウェルカム感が出ちゃっているような女性は十中八九、嫁のミツコとみなされていじられることになる。
内容については特に目新しいものはないが何度観覧しても飽きない。
観光客の皆さんも満足だったろう。

伝承館でのなまはげ実演が終わり、なまはげ館へ移動
ここでは男鹿の風土やなまはげに関する資料展示などの他になまはげ変身コーナーなどもあり、思う存分なまはげに触れられる。
初めてこの場所に来る人は先になまはげ館で予習し、その後伝承館で実演を観るというコースが理想だろう。
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なまはげ行事の全貌を見せてくれるミニ映画「なまはげの一夜」は本日の上映を終了してしまったが、それ以外にも見るべきものがてんこ盛り状態
秋田県内のみならず、日本、外国の来訪神行事に使われる面を展示するコーナーに向かう。
これまでであれば「ふーん」と言って軽く見る程度だったが、最早来訪神の虜となっている管理人はその一点一点をじっくりと観察

おおっ!寺沢の悪魔はらいの「サンダワラボッチ」
その節はお世話になりました。
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これはもしや平尾鳥のサンダワラボッチ?
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海外の来訪神行事の面も充実
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地元の小学生が描いたいろいろな集落のなまはげ
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そしてこの施設の最大の目玉、なまはげ勢ぞろいコーナーへ
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全部で110体ほどのなまはげが飾られている。
圧巻、というかなんか怖い。
実際に管理人の知人はこのコーナーで不意に凄い恐怖感に襲われてしまい、走って場を立ち去ったそうだ。

あっ安全寺地区のなまはげさんですね!
大晦日は本当にお世話になりました。
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こちらは、かの岡本太郎先生が絶賛したと云われる芦沢地区のなまはげ
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こちらは、かの小林まこと先生の作品、1・2の三四郎(ウソです、台島地区のなまはげです)
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なまはげ館を楽しんでいるうちに祭りの始まる6時が近づいてきた。
少し急ぎ足で、会場となる真山神社を目指す。
神社はなまはげ館、真山伝承館より徒歩で5分ほどの距離
道中は提灯の灯で照らされている。
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そして真山神社入口に到着
これまでなまはげ館、真山伝承館にいた人たちが祭りの始まる時間に合わせて集まってきた。
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そして6時ちょうどに境内に到着
境内は観光客でごった返していた。
出店などもあるし覗いてみようかな?などと考えていたら、ほぼ定刻に祭りが始まった。
最初に行われるのは鎮釜祭

神官が舞を舞った後に、大釜の湯をかき混ぜて観光客に向かって飛沫を浴びせる。
それにしてもたくさんの人垣ができている。
観光気分満々の人たちが結構神妙な様子で、きちんと作法に則ってこの神事に立ち会っていたのがちょっと面白かった。

次に湯の舞

先ほどの鎮釜祭、こちらの湯の舞、そして護摩餅配りがどうやら「なまはげ柴灯祭り」となる前の「柴灯祭」の内容だったらしい。
稲 雄次さんの著作「ナマハゲ」によると、旧「柴灯祭」は旧暦1月3日午後10時から行われる鬼鎮めの儀式だったそうだ。
が、この儀式で言うところの鬼と、なまはげが混同されてしまい、それがなまはげ柴灯祭りへと繋がっているらしい。
神事と民俗行事が合体すること自体は決して珍しくないと思うが、このような誤解が合体のきっかけになっているのはちょっと珍しいのではないだろうか。

続いてはなまはげ入魂
なまはげに扮する若者たちに神官から面が手渡される。

本当はもっと正面からこの様子を撮影したかったが、入魂の儀式の行われる場所が少し小高くなっており、人垣のできている斜面も少し上り坂になっている。
ということで列の前方にいる人ほどよく見え、後方の人ほど見えづらくなっており、かなり後方だった管理人はやむなく照明用発電機のうるさい音が鳴っているこの場所での撮影となった。
因みに管理人の前で写真撮影をされている男性は、男鹿出身で北秋田市阿仁在住の写真家、船橋陽馬さんです。

面を付けた若者たちはなまはげとなり、声を上げて足踏みをする。

これだけのなまはげが一斉に「ウオーーー!」と叫ぶと、やはり迫力がある。
この後、なまはげは一旦山に戻る。

ところで「鎮釜祭・湯の舞」、「なまはげ入魂」、この後に続く「なまはげ行事再現」、「なまはげ踊り」といった各内容は会場の別々の場所で時間をずらしながら次々と行われる。
なので、観客は「このコーナーが終わった。じゃ次は‥」というかんじでぞろぞろと移動することになる。
また、会場隅に4~5段ぐらいの鉄パイプの仮設観客席もあり、そちらであまり動かずに俯瞰で鑑賞する人も結構いた。
が、当夜は時折雪が舞う天気でたいへん寒かったこともあり、会場中央に煌々と焚かれている柴灯火の周りに最も人が集中していた。
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屋台にも絶えず人が集まっていた。
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次はなまはげ行事再現
神楽殿に一般家庭の座敷のセットが組まれ、そこでなまはげ行事が行われる。

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内容は先ほど真山伝承館で観覧したなまはげ行事実演とほぼ同じ
ただ、古民家の一間で繰り広げられる伝承館の実演の方が本物っぽい雰囲気に溢れていた。
伝承館のあのスケール感が絶妙なのだ。
問答の中身もよく聴き取れるし、なまはげの十八番(?)客いじりも存分に楽しめる。

続いてはなまはげ踊り
「なまはげ踊り」なる舞踊があることは知っていたが、管理人は初見となる。

いかにも現代舞踊に相応しい前衛的なBGMにのって2匹のなまはげが踊りを披露する。
この踊りは現代舞踊家 石井漠氏による創作らしいが、wikiで調べたらなんと彼はあの「自由が丘(目黒区の)」の地名の名付け親らしい!
知ってました?

次はなまはげ太鼓
男鹿市内になまはげ太鼓を披露する団体はいくつかあるが、今日はその中の一つ「男鹿っ鼓(おがっこ)」の皆さんの演奏

これまで何度もなまはげ太鼓を見てきたが、なんというか今日の演奏が一番ぐっと来た。
演奏水準の高さもあるが、この神楽殿という舞台、時折吹き付ける強風、普段なまはげ太鼓を鑑賞する機会など無いであろう県外の観光客が演奏に惹きつけられている感じなどが一体となり、思わぬ名演となった。
演奏、ステージ、観客があるムードのもとに一つとなった様子は、かのピンク・フロイドが1971年に箱根アフロディーテで行った伝説のライブを思い起こさせる(大げさなうえに誰も知らないようなことを書いてすいません)。

そしてお待たせしました。なまはげ柴灯祭りのハイライト、なまはげ下山!

15匹のなまはげが松明をかざして山から降りてくる。
なまはげの恐ろしさをさらに強調するかのようなシチュエーション
下にいた観客のほとんどは、早く降りてきて!というかんじだったが、逃げようとしている子供もいた。

柴灯火を中心として円を描くようになまはげが会場を闊歩する。
なまはげの移動に併せて観客もぞろぞろと移動
首相官邸のぶら下がり取材状態である。

会場中に響いている「ウオーーーーッ!なまげものはいねがあーー!」の声はスピーカーから流れている音声だが、太鼓の演奏は先ほどに続いて男鹿っ鼓が担当

なまはげ好きには堪らないが、なまはげ怖いと思っている子供には黒い三連星のジェットストリームアタック状態
しかもなまはげは15匹なので、ジェットストリームアタック×5ということになる(さっきから誰も知らないようなことばかり書いてすいません)。

この後、護摩餅を手にしたなまはげは会場を去り神の元へ帰って行く。
前に述べたように元来の柴灯祭では護摩餅を持ち去るのは鬼だった。
なまはげに取って代わられた鬼たちは今はどうしているのだろう?

なまはげが会場を練り歩いている間じゅう、太鼓の熱演を披露してくれた男鹿っ鼓

神楽殿はすでに暗転となっており、なまはげの引き立て役としての演奏ではあったが、それでもたくさんの人が男鹿っ鼓の演奏に聴き入っていた。
演奏終了と同時に喝采が浴びせられる。

そして祭りのフィナーレを飾る、里のなまはげ乱入
芦沢、北浦、双六、女川など計7(8だったかもしれない)地区のなまはげが登場!
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乱入というとまるでブッチャーかタイガー・ジェット・シンか、というかんじだが、なまはげが不規則にそこら辺りを歩き回るという意味での「乱入」ということだろう。
要はなまはげとの記念撮影コーナーだ。

初めのうちはなまはげ登場に戸惑っていた観客も、なまはげに触れ合ってよいことが分かると我先に、と近寄って写真を撮る。
秋田に住んでいるとなまはげと一緒に記念撮影しよう、とは思わないが、県外の方々にとっては貴重な体験なのであろう。
写真リクエストは途絶えることがなかった。
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お父さんお母さんが「ほらほら!なまはげさん優しいよ~」と子供とのツーショットを促すも、子供だけはギャン泣きという状況が続発
また、なまはげが子供を抱っこしようとするも子供はパパママの首に抱きつく手を離さない、という姿もあちこちで見られた。

小さい子供は終始泣き続けていたが、ちょっと大きい子になるとなまはげは害を及ぼさないことを感じ取り、ニコニコと写真に収まる。
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ここでのなまはげは優しい、という以上にサービス精神が旺盛だ。
どんなリクエストにも大抵応えていたし、自らすすんで観光客が喜びそうなポーズを取ってくれる。
男鹿の子供たちからすれば「大晦日もそんな風でいてくれたらいいのに‥」となるであろう。

こうしてひとしきり、なまはげが場内を廻り終わると同時に祭りは終了となる。
寒さも手伝って観客はいっせいに会場をあとにする。
祭り終了のアナウンスからものの15分ぐらいでこの状況となった。
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雪がまた降り出したこともあり、管理人も足早に車へ戻って一路秋田市へ帰る。
往路はエラい悪路だったが、帰りはぐちゃぐちゃとなっていた雪面が凍った分、運転は少し楽だった。

ということでなまはげ柴灯祭りを見届けることができた。
県外、外国の観光客の人たちは普段なまはげとの接触機会がほぼないであろうだけに、良い思い出作りができたと思う。
そして、今日散々なまはげに泣かされた小さな子どもたちが大きくなり、子を持ったときに「ウチの子をなまはげ柴灯祭りに連れてってみよう」と思い立つものか、気になるところではある。
個人的には男鹿っ鼓の演奏が印象に残った。
演奏と風景がマッチしていたこともあるが、そこを差し引いても素晴らしい熱演を聴かせてくれた。
これからも男鹿っ鼓、そしてなまはげ太鼓各団体を応援していきたい。

ところで今回のなまはげ柴灯祭りは数えて54回目の開催となるそうだ。
冒頭に書いたように、元々は神事「柴灯祭」となまはげ行事をミックスさせて作り出された観光イベントである。
そこで思ったのだが、やはり柴灯祭となまはげイベントは分けて実施したほうがよいのではないか。
昭和39年にこの祭りが始まった頃は日本は高度経済成長の真っ只中であり、おそらくその時代の価値観が基となり現在の形となったと思うが、柴灯祭はあくまで神事として、なまはげイベントは大型観光イベントとしてそれぞれ歩み始めても良いと思う。
柴灯祭に関して言えば、(現在の価値観に照らし合わせると)おそらくなまはげ柴灯祭りほどではないにしても、真山神社境内で厳かに行われる神事として注目する人はいるはずだ。
その反対に、なまはげイベントのほうに新しいコーナーを追加するなどして、思いっきり観光に振り切るのもありだと思う。
そこで管理人が考えてみました、その新コーナーを(新しい祭りのネーミングはどうするんだ?引き続き真山神社境内で開催するのか?などいろいろ問題はありましょうが、その辺は度外視です)

企画その一 なまはげさん、オラどごごしゃいでけれ!
東北人ならどういう意味かお分かりだろう、逆に東北人以外の方は全く意味不明でしょう。
「なまはげさん、私を叱ってください」の意味です。
例えば夫婦でイベントに来たとして、妻が「ウチの旦那はほとんど毎日キャバクラ通いで頭にくる!!!」みたいな不満を持っていたとしよう。
そういった不満を妻がなまはげに伝えて、実際になまはげが旦那を「おめー毎日キャバクラさ行ってるってが!何やってらなだ、この馬鹿け!!」などと叱るコーナーだ。
もちろん、自ら叱られるネタをなまはげに伝えるのも構わない。
1回あたり¥500円ほどが妥当か。

企画その二 なまはげ亭オープンしました!
名前はなんでも構わないが、いわゆる食事処を開くのである。
で、メニューは何かというと大晦日のなまはげ行事で出されるなまはげ御膳、これ一つだけで勝負である。
古来のなまはげ行事に実際に出された御膳の中身を男鹿の食材で再現
日本酒はもちろん冷酒オンリー(なまはげは本来熱燗は飲まないので)
¥1,500円ほどで提供したい。

企画その三 なまはげ変身コーナー
これはなまはげ館にも全く同じものがあるが、唯一の欠点がなまはげの面をつけると顔が全く隠されてしまい誰だか分からない、という点である。
その点を解消すべく、なまはげの口の部分に顔が収まるように改良した面を付けるというものだ。
もちろん装具、衣装も完全再現
これは無料で提供したい。

と、ふざけたことを書きなぐってしまって申し訳ないが、最後にやや真面目な提案をしたい。
なまはげは秋田の観光を代表する超優良コンテンツであり、全国にそのファン、興味を持っている人たちがたくさんいる。
なまはげ館、男鹿真山伝承館の賑わいぶりをみてもそれは明らかだし、さらには県外への積極的なアピールなども重ねており、認知度を高めるための状況も出来ていると思う。
反面、なまはげを掘り下げていろいろ知りたいというニーズにはやや応えきれていない気がするのだ。
そこで、およそ80ほどのなまはげ行事を行っている地区全ての行事の動画を採録・アーカイブス化し、ネットで公開するなどできないだろうか。
男鹿市観光協会でも、(学術的側面に鑑みて)男鹿市教育委員会でもどんな組織・機関でも構わないが、全国いや全世界の人たちが「このなまはげは○○地区で、このなまはげは××地区」ということを映像を通じて知る機会を与えて欲しいと思う。
先の記事「男鹿のなまはげ」で書いたように、地区ごとに面や作法に違いがあり、そのディープさは調べれば調べるほど好奇心をそそられる要素を持ち合わせている。
何より行事を行っている地域の協力が必要だし、今では全ての地区が大晦日になまはげ行事を行っていることを考えると短期間でできるものではないが、いずれそのような取り組みを通じて草の根的になまはげファンを増やせていけたらよいのではないだろうか。

最後は伝統行事を扱う当ブログの趣旨から大きく逸脱し、観光コンテンツとしてのなまはげ話に終始してしまったが、「秋田県民は宣伝ベタ」と事あるごとに聞くのを苦々しく思っている者の一人として書いた次第である。
行事としてのなまはげ、観光素材としてのなまはげともに明るい展望を築けたら本当に素晴らしいと思う。


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